課題C-2:噴火履歴調査による火山噴火の中長期予測と噴火推移調査に基づく噴火事象系統樹の作成

概要

本サブテーマでは、過去数万年間に複数の噴火をした活動的火山を対象として、カルデラ噴火する火山、爆発的噴火を繰り返す火山、非爆発的噴火を繰り返す火山等に類型化し、類型ごとに調査対象とする火山を選定する。選定した対象火山について、文献・古記録調査、地表調査、ボーリング調査、トレンチ調査等を行うとともに、年代測定や火山噴出物の分析結果から、当該火山の噴火履歴及び噴火毎の噴火様式や噴火推移、噴出量の時間的変化を明らかにし、高解像度の時間―噴出量階段図を作成し、現在のマグマ供給の状態を推定する。上記の過去の噴火履歴調査から、それぞれの火山で過去に発生した噴火事象を網羅した噴火事象系統樹を作成し、中長期の火山噴火の発生確率を示する。また、可能な限り課題C-1「火山噴出物分析による噴火事象分岐予測手法の開発」の成果も参考として、個々の噴火における火山噴出物の分析結果から、噴出したマグマの物性も考慮した噴火推移を示す噴火事象系統樹とする。

詳細

成果目標及び実施方法

以下の地質学的・物質科学的手法を実施し、それらの成果をもとに、中長期噴火予測手法の開発および噴火事象系統樹の作成を行う。

  • 複数の火山を対象とし、個々の火山における長期間・高精度の噴火履歴を明らかし、個々の噴火については噴火推移についても復元する。
  • これらの成果をもとに、高精度の時間-噴出物階段図を作成する。
  • 履歴に基づいた噴出物の高精度サンプリングを行い、物質科学的に解析することで、個々の噴火のマグマの挙動を明らかにし、さらに長期にわたるマグマ変遷・進化についても解明する。
アウトプット・アウトカム
  • 主要な活火山についての噴火活動の中長期予測・噴火事象系統樹を公表することで、自治体、火山防災協議会および住民に周知され、長期のインフラ整備計画、火山防災および住民教育に活用される。
  • 本課題の実施内容は火山研究の基礎であり、火山研究人材育成コンソーシアムと連携し大学院生を多く受け入れることで、次世代の火山研究者を育成する。
実施体制

【分担責任者】
国立大学法人北海道大学
大学院理学研究院教授  中川 光弘

成果・報告書

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